《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
あたしの中にあったのは
……単なるエゴ。



全部知りたいなんて、何を
思い上がってたの、梓?



そんなふうに思う前に、
どうしてもっと柊弥を
信じてあげれなかった?



愛してるって何度も
囁きあった相手を。



彼を信じて待てば――
ただそれだけで、
よかったのに――…。




「ごめ……なさいっ……」



柊弥に。そして美香子さんに。



もはや嗚咽混じりにしか
ならないけど、自然とその
言葉が口をついて出た。



美香子さんは今度こそ
あたしにちゃんと
ハンカチを握らせて、



「謝ることなんてないわ。

……人を愛するのって、
単純なようでいてとても難しい。

あなたを責める資格
なんて、誰にもない」
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