《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
だけどそんな違和感も、
激しいキスと巧みな
指使いがすぐに頭の片隅に
押しやってしまった。



見る間に体は奥の方から
のぼりつめてくる感覚に
支配され、あたしの意識は
それで一杯になる。



「あ―――…!

柊弥………柊、弥……っ」



カラダが熱い。焼けるように。



柊弥の唇が触れた所から、
甘い蜜のように溶けて
いっちゃいそうだ。



「梓――――…」



名前を呼ぶだけの声が、
どうしてこんなにあたしを
痺れさせるんだろう。



どうしてこんなに切なく
優しく、あたしの心を
締めつけるんだろう。




底のない海に沈むように、
あたしは呼吸も忘れて
柊弥に溺れていくだけ。
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