《完》Honey*TRAP!! 〜副社長の甘い罠 LAST・TRAP〜
「………触るな!」



とっさに出た声は驚く
くらい鋭くて、オレは
自分でもギョッとしていた。



当然梓も小さく叫んで
驚き、その拍子につかんだ
雑誌を床に落としてしまう。



「な、なんですか、
いきなり……?」



動揺した声をあげる梓の
前で、オレは素早く落ちた
雑誌を広い上げてもう一度
ボードに戻した。



「………いや。

デスク周りくらいは
自分でやるよ。

だからお前は、別の所を
整理してろ」



とってつけたようにそう
言って、目線で梓を促す。



梓はふに落ちない顔をして
いたが、無言でそっと
その場を離れた。



「……………」




……バカか、オレは。
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