君と桜と

時が止まった



校庭の桜が満開を迎えた日は、雲ひとつない晴天だった。



開け放たれた窓から入ってくる暖かい春の風が、眠気を誘う。




まどろんだ目に映るのは、風に揺られるクリーム色のカーテン。
眠りの世界に誘うかのように、ゆらゆら、とはためいている。



さらに追い打ちを掛けるように先生の流暢な英語が子守唄のような心地よさで、奈緒を完全に眠りの世界に引き込んでいった。

 



高台の上にある学校の周りは、閑静な住宅街だ。
外からはさらさらと木が風に揺られる音だけが聞こえてくる。



この場所は風の通り道にあたるのか、いつも風が強かった。




単調に進んでいく授業の最中、この日一番の風が教室に入ってきた。



カーテンを大きく巻き上げる強風に、奈緒ははっと目を覚ます。










「綺麗だ・・・」





ん・・・?

今の声は・・・誰?



強く吹き込む風の中、ぱちぱちと瞬きを繰り返し、なんとか目を開ける。
すると、外を見つめて目を細める人が視界に入った。




この笑顔・・・みたにくん・・・?







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