Secret*Luv...


「...ごめん」


そう言って
恭夜はあたしから離れた。

「...。」


あたしはまだ、
何も言えなかった。


「...実はさ
今日だめだったら
諦めようと思ってる。
俺も辛いし
お前も辛いだろ?」


え...?


「俺は英李が好きで、
誰にも渡したくないけど
泣き顔なんか見たくない。
だから...今日までにする。
お前のこと
好きでいるのやめる。」


「え...?」


頭が真っ白になった。


諦める...?
好きでいるのやめる?


「...もう、いいよ。
聡の所に行けばいい。」

「きょう....っ」

「明日から友達、な?」


明日から友達?
そんなの
なれるわけないよ...。


「だからさ
今日だけは俺の物になって。」


「...どうすればいい?」


「まずは
手をつなごう」


恭夜の大きな手が
あたしの手を
包み込んだ。


「手ちっちぇーな...」

「...うん」

「...抱きしめていい?」


あたしは
静かに頷いた。


「...やべぇ、泣けてきた。」
「恭夜...っ」

「すげぇ好き...、」


あたしたちは
静かにキスをした。


最後に
もう一度空を見上げたけど

ぼやけて何も見えなかった。










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