K･M ～カイとミワの恋物語～

初恋の記憶

男子の初恋の人はお母さんだってよく言う。

けど身内とか今思うと正直気持ち悪いと思う。

だけど俺の場合は。

義理の姉が初恋の人だった。



姉がうちに来たのは5歳のとき。

「よろしくねカイ」

「…うん…」

姉はそのとき14歳にしてギャルメイク。髪も茶髪でくるくるに巻いていて、

「……」

正直、5歳の俺には怖かった。

姉は一言で言えばヤンキー。

夜な夜な夜遊びに出かけては一家総出で家のまわりや姉の行きそうなところを探したもんだ。

おかげで家族はみんな姉ばかりに手を焼いていて俺はほっとかれっぱなしだった。

そんな俺は姉に家族を盗られたと思った。だから姉が好きではなかった。