K・M ~カイとミワの恋物語~
「…ありがとな。元気でたわ」
「おう!…で?」
「…今からミワちゃんに会いにいく!」
「…がんばれよ!」
「言われなくても!」
そうだ。
ほしいものくらい、
ほしがっても、いいよな?
俺は受話器を置き、ジャンバーを着た。
玄関を勢いよく飛び出す。
そして重大なことに気がついた。
「俺、ミワちゃん家知らないし!」
会えないじゃん!
でも歩いてればいつか会えるか…?
そんな無謀な考えを持ったとき。
「………あ」
俺んちのすぐそば。
塀の裏に、ミワちゃんはいた。