K・M ~カイとミワの恋物語~
ミワの過去
わたしはそのとき中学3年生だった。
女子にも男子にも友達がたくさんいて、幸せ者だったと思う。
「……好きだ…」
「…え?」
そんなある日、彼に告白された。
ずっと友達だと思っていた、彼。林川ナオキ。
直樹は容姿もよくて頭もよくて、女子にもモテてという、ほぼ完璧な男子。
でも、わたしは恋愛対象とは見ていなかった。
ずっと、友達だと思っていたかった。
このままの関係を崩したくなかった。だから、
「……わたし、今誰とも付き合いたくないから…友達ってことでいいかな」
そんな返事をした。
するとナオキは。
「……俺じゃダメか?」
「…な、なに言って…そんなわけじゃ…」
「俺はお前に気に入ってもらうために自分を磨いてきた…中学入ってからずっと。…お前はこの3年間の努力を無駄にするのか?」
「…それは、…」
困る質問だった。