片思い
ガラガラガラ


『みなさん おはようですの!』


『おはよう 桜さん …と 冬野…さん…』

『…はよ』


(だから いやなんだよなぁ)


『もぅ 柚希ちゃん もっと 明るく振る舞って下さいですの…』

とその時


『柚希!おはよう』

と明るめの声

振り返るとそこには昨日の 楠木 湊がニコニコと爽やかな笑顔を向けてたっていた


『…はよ』

ちょっと警戒するように挨拶を返す

クラスにいるやつ それから廊下にいるやつらが こちらを見ながらなにかをひそひそと話しているからだ

皆の冷たい視線が痛い


『ちょっと!冬野 柚希さん 湊様とはどんな御関係ですの!?』

突然 2ーAの超お嬢様な 姫野 優衣華が後ろに味方を付けてやってきた

(はぁ)
(はぁ)
(はぁ)

柚希 桜 湊はどうじに小さなため息をついたこの 姫野 優衣華は学園…いゃ世界一と言っても過言出はないほどの とてつもなく厄介なお嬢様なのだ

これには みんな一度は絡まれている

優衣華が気にくわない者には何度も絡みついには学校に来れなくなるほどの嫌がらせを受けたというケースも何度もある


親が姫野財閥の社長だったり 国のお偉いサンだったりするものだから 学校側も言うに言えない状態なのだ

『ちょっとなんですの!?そのため息は?』

『…あんたがまーた付きまとって来るから面倒なだけだよ』

『ちょっと…柚希ちゃん!』

桜があっちに聞こえない程度の声で必死に訴えてくる

『なっ …なんですってぇ!?あなたなんてお父様のちからでどうとだってできますのよ!?』

『ま まぁ その辺にしとかないか』

湊が仲裁に入ってきた だがその雰囲気は昨日のものとは全く違っていた


『…湊様がそうおっしゃるのなら…仕方ありませんわ! でも 湊様!冬野さんとどういった御関係なのか説明して下さいませ 偉く親しげに話されていたようですが』


『わかったから じゃその話は今度ね』


『湊様おまちになって!』


湊は小走りで自分の教室に入っていった

やつらが去って行ってからは嵐の後のような静けさが残った

『…まさに嵐のような騒がしい御方ですのね‥相変わらず』

その言葉には その場にいた全員が納得出来た
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