教室のすみっこ
まじかよ。ちょっと意外。かなめには失礼だけど、なんか中学の友達しかいないって感じだからなー。

「じゃさじゃさ。その友達も呼んでみればいんじゃね?」

「・・・え?・・いい・・んですか?」

「いーよーいーよー!だって別にこのクラスのなかだけじゃダメなんて誰も言ってないぜ?結構呼んでるやつもいるしな」

「じゃあ・・・・呼びます・・・」

そう言ってかなめは携帯電話をとりだす。そして、誰かに電話をした。

電話をきったあと、かなめは俺に向き直る。

「あの・・・すぐ来るって言ってました・・・・」

「そっかそっか」

俺はニコッと笑った。

「んじゃ、俺はその友達がくるまで・・・」

『かなめの話相手になってやる』と言おうと思ったら、咲が話しかけてきた。

「あれー?遊。なにやってんの?」

げ。

やばい。非常にまずい。

たぶん性格からいって咲はかなめとはあわないタイプの人間だと・・・思う。

いや、でも外見とかから判断しちゃいけないってばあちゃんに言われてるし・・・。

「あれ・・・・???なんで天知がいんのよ」

「・・・えと・・・」

(・・・・やばい)

俺の願いもむなしく、咲は露骨にいやそうな顔をした。

てか、そんな顔することないんじゃねーの?

「ねぇねぇ。遊ー。天知と話してないで私とはなそ?」

「え・・・いや、俺は・・・かなめと・・・」

「え!?遊ってば天知のこと名前で呼んでんの!?」

「あ?まぁな・・・」

「へー・・・・」

咲がうつむいた。どうしたんだ?

俺が咲の顔をのぞきこもうとすると、とんとんと肩をたたかれた。

「ん?」
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