【完】会長様はご機嫌ナナメな皇帝閣下

卒業ラプソディー

「あー、去年のこの時期、思い出すよなー。わりと泣いたわ」


「ホント。俺んとこはエスカレーター式だったから卒業式自体感動ゼロだったけど、引っ越し決まってたから俺のクラスは泣いたな」


ちょうど1年前のことを思い出し、のほほんとまどろむ私と春風。


「こら!ひよこと春風!サボるな!」


そんな私達を、その辺にあった雑誌でぶん殴るアッキー先輩。珍しく、アッキー先輩からの暴力だ。


「イッター!アッキー先輩は武器持たないで下さい!頭が吹っ飛ぶから!」


「悪いのはお前らだろっ!いつも注意してる壮平は、会長だから忙しいの!俺達の倍!」


振り返ると、いつも以上にきっちり制服を着こなしたアッキー先輩。


体育館の中は、いつもはほぼ寝てるのに、他の2年生達とてきぱき準備をする、これまたピシッとしたあおちゃん。


そして、壇上で送辞の段取りを打ち合わせしている、皆川会長。


そう、今日は、最大行事といえるだろう、チンカス高校……やべ、間違えた。我が霧藤高校の、卒業式。
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