不良彼氏と胸キュン恋愛【完】


「急いで取ってくるから、寝て待ってて?」


上履きを脱いでベッドに横になった杏ちゃんに布団をかける。


「あのっ、花音ちゃん……――!!」


すると、杏ちゃんがあたしを呼びとめた。



「んっ?」


「あたし、前も……花音ちゃんに助けてもらったの」


「……そうだっけ?」


「うん。入学したばかりの頃、うっかり体操着を忘れちゃって……。その時、他のクラスに友達がいなくて。誰にも借りることが出来ずにいたあたしに花音ちゃんが貸してくれたんだよ?」


あたし、杏ちゃんに体操着……貸したっけ?


そんなことがあったような、なかったような。




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