不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「……――流星!!ちょっと待って!!」


下駄箱にいた流星に気付いて大声で叫ぶ。


流星はチラッと横目であたしを見た後、何も言わずに手元の靴に視線を移した。


「あたし……流星を信じてないわけじゃないの。ただ今は100%信じてあげられなくて……それで、えっと……」


やっぱり何を言うか考えておくべきだったのかも。


流星の横顔が強張ったのに気付いて、焦りが募っていく。


誤解されないように言葉を選ぶ余裕なんて今のあたしにはない。


ただ、この気持ちを分かってほしくて。


あたしは流星を信じていないわけじゃないんだよ。


それだけを伝えたくて。


それだけでも伝わって欲しくて。

< 280 / 503 >

この作品をシェア

pagetop