好きでも、嫌いでもない


――新居に引っ越す日…


ピンポーン


俊ちゃんだ。


今日は,朝,普通に仕事に
行くパパを見送って
ママと2人で俊ちゃんが
来るのを待っていた。


玄関を開けると
そこには,優しい笑顔を浮かべた
俊ちゃんが立っていた。


「おはよ。百合」


「おはよ!!待ってたよ」


リビングからママが出てきて
少し3人で話した。


「ママ…そろそろ行くよ」

「わかったわ…」


寂しそうな顔をしたママは
すぐに笑顔を作った。


「2人とも体に気を付けるのよ?
百合,わからないことは
なんでも聞きなさい。」


「うん…ありがとう。
じゃあ,行くね」


俊ちゃんと2人で歩く。
これからもずっと。
少ししたら3人になる…

不安だけど
頑張るからね…


振り返るとママが
見送ってくれていた。
うっすら涙を浮かべていて
私も涙が出た。

その涙を俊ちゃんが
拭いてくれた。


ママ…ありがとう






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