銀河の流星
さぁ、と。

星乃はその場に胡坐をかく。

「首を刎ねるなり心臓を突き刺すなり好きになさい。その代わりあんまり痛くしないでよね?私痛いと泣いちゃうんだから」

覚悟を決めたように目を閉じる星乃。

「…………」

ポカンと口を開けたまま、いささか間の抜けた表情で立っていた流星だったが。

「ふはははははははっ!」

彼は憑き物が晴れたような表情で笑い出す。

「な、何よ…」

目を開け、怪訝な顔で流星を見上げる星乃。

「いや何…本当に風変わりな娘だと思ってな」

そう言って、流星は地中深くに突き刺さっていた四本の尾を引き抜いた。

核に達するまで、この惑星が崩壊を始めるまで抜く事はしまいと思っていた、天狐の象徴である尾を。

その尾をユラユラと機嫌良さそうに揺らしながら。

「星乃、お前俺の嫁にならんか」

流星はサラリととんでもない事を言ってのけた。

< 59 / 121 >

この作品をシェア

pagetop