あなたとなら




しばらくして、空も夕焼けで
オレンジ色に染まっていた。



「そろそろ帰ろ?」


そう切り出した。



「ん…
そうだな…」



和哉もなにかを考えてた
みたい。



「あたしでよかったら、なんでも
話きくからさっ」


和哉のことが心配になり、

気付いたらつぶやいていた。



「娘に話聞いてもらうのか。
ま、ありがと。」



和哉は冗談交じりに、
笑いながら言った。



この時はまだ、

和哉があんなに悩んでたのを


知らなかったんだ。




こんなに悩んでたなんて。




< 20 / 73 >

この作品をシェア

pagetop