わがままな彼女。
「わーってるって。」

よし。

そろそろマヂで

「やるか」

「おぅ!!!」


バコッ


自分で言うのもアレだけど俺は運動神経がいい。

だーかーらー。

もち、サッカーも☆

「やーっぱ恒也にはかなわねーわ!!」

龍斗が言う。


バンッ


ドサッ


…ん?

なんか女子の方からものすげー音がしたな。

見てみると

「…まぢかよ…」

美愛が倒れていた。

ボールが当たったんだろうな。

猿が。

「こここ恒也!!美愛チャンがぁあぁあぁあ!!!」

龍斗はパニック状態。

「落ち着け。」

とか言いつつ、実は俺も内心ドキドキだし。

美愛のまわりに集まっている女子の輪に入る。

「大丈夫なのかよ」

「わかんない。とりあえず、気を失ってるの。」

そこらへんの女が答える。

とりあえずってなんだよ…。

「保健室、連れてく。」


ふわっ


と美愛を持ち上げる。

いわゆる、お姫様だっこってやつで。

かりーなー。

龍斗がニヤニヤしながら見てくる。

バカだろ。



―――――――――――

「大丈夫よ。軽い脳震盪(のうしんとう)ね。」

軽い…のか。

「そうっすか。…目は、いつ覚めますか?」

「う〜ん。わからないわね。ま、大丈夫よ。そのうち、すぐ起きるわ。」

「あ〜。そうっすか。」

保険の三島センセは、超テキトー。

「ふふ。彼氏くん?」

「いや!ちげーます!!」

「この子…美愛チャンよね?モテるわよねー。」

「うっす。」

センセも知ってんのかー。

「…好きなの?」

「え!?」

「かわい」

そう言って、センセはどっか行った。

保健室には俺と美愛2人。

ヤバい。

「なぁ…起きろよ。」

お前いねーと、つまんねーんだよ。

起きろ。

バカ。

猿。

…好きな女…。

あー。


キスしてぇ。

目の前に、いる。

好きな奴が。

あー。

キスしてぇ。
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