わがままな彼女。
キミとボク。

出逢い

あぁ。最悪だん。

あたし、杉浦美愛(みあ)高一。季節、秋。

この時期にまさかの日本の都、東京に引っ越し…つまり転校!


出身は熊本。


東京とは比べもんにならんくらいの田舎。

そこの女子高生がいきなり

『あんた、引っ越すけん、荷物まとめときなさいよ』

…って、お母さん、いじめだしッ!!

それで今。

美愛は電車にゆられて新しい学校へと向かっている。

それにしても。

「あ…スカイツリー」

と…都会だぁ。

周りの女の子は皆可愛い娘ばっかり。

浮いちゃってるのか、皆美愛の方見とるよ…。

男子なんて、笑い堪えてるのか、美愛と目が合うたんびに顔真っ赤にしとるし。

失礼にも程がある!!

ガタンッ

電車が止まった。

「あ、おりなきゃ。」

電車からおりると辺りは街、街、街…。

そこに、新しい高校らしき学校、一つ。

美愛はそこに向かって歩いていった。



学校に着くと、職員室に行こうかした。

だけど、道がわかるはずもなく…

仕方なく、そこの男子に聞くことにした。

「あの…」

「ん、何?」

よかった、スルーされんくて。

「職員室って―…「あんた、見ない顔だけど、転校生?」」

美愛の質問を遮って、そういう男の子。

「あ、うん…じゃなくてはい。」

緊張して間違えたし。

「ははっっ。いーよ、敬語。確か担任が転校生来るとか言ってたし、あんただろ?だから、同い年って事!!」

「あ…そうなんだ。」

「うん。てかあんた美人だねぇ…。」

「はぃ!?」

今、美人って言った!?
…ははー。笑えるー。

「いや、冗談は「名前は?」」

また遮られた。ま、いっか。

「美愛。…杉浦美愛」

「うっし、美愛!」

いきなり呼びすてされた事によって、ドキドキした。

「ん、なん?」

「俺が美愛の友達第一号な!!」

え?嘘、まぢで?

「ありがと」

うれしい。

「いーえ。てか、美愛ってどこから来たの?」

「あー…、熊本」

「どぅえ!?熊本!??ビックリだし!」

「だけん、熊本弁とかバリバリ使うけん、よろしくね。」

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