ボクらのツバサ
「“なんだよ" じゃあーないだろ! 先に人が質問してんだから、答えろ!」
「………………」
俺が黙っていると、陵が手に持っている教科書を、さらに強く握りしめる。
「…もう一発いっとくか?」
「……昨日、 浅月に会ったんだよ……」
俺の言葉に少し、驚いたような顔をする陵。
「…………浅月って!」
「そっ、浅月夏希…」
俺は昨日の帰りに、浅月と会った事。
西崎が言ってた転校生が、浅月だったこと…
「そっか…、転校生って浅月だったのか…」
「まぁな……」
「んで? どーすんだ?」
「どーするって…別に……」
言いかけた途端、始業のチャイムが鳴る。
俺がまた机に伏せると、陵は『あっそ…』とだけ言って自分の席へと戻って行った。
陵が何を言いたいのか、何となくわかる……
けど、どーしろって言うんだよ…