クローバー

「とまぁ、こんな感じで誰も私が生徒会なんて分からないわけ」

「確かに…」

「で。……なんであんたに言わなかったかって言うと。例の約束に関係してるわけ」

「約束…」
本気で覚えてない。
「会長のことも忘れてるでしょう?」
会長……。そういえばどんな顔だったけな。集会の時はいつも寝てるかボーッとしてるかだからなぁ。
「うん。……覚えてない」
申し訳ない気もするがさっぱり。
「はぁー。…だから私はあんたを生徒会に入れたく無かったのよ。もしかしたら同姓同名の人違いって可能もあるわけじゃない。昨日あんたに勧誘の話を話をされた時も知らん顔しての。」
はぁーと遠い目。
「約束の内容を詳しくは私も知らないの。会長は"あいつが生徒会に入らない限り俺は仕事しねぇ。約束がある"ってずっと一点張りなのよ」
ホント困ってるのと頭を抱える。うわ。篤子がここまで落ち込むなんて。余程問題児なのか会長は。


「篤子。私どうしたらいのさぁ」
問題はやっぱりそこだ。生徒会長と熱い約束なんて交わした覚えもないし。はっきり言うと面倒なことに成りそうだから関わりたくない。
「んー。悪いんだけど、一回来てよ。私も面子があるしぃ。…ほらッ。人違いなら直ぐにバイバイってなるじゃない!?」

「えぇ~」

「ね?人違いだったら会費でアイス毎日奢るからさ」

アイス………

「………ハーゲンダッツ?」

「ハーゲンダッツ!」
親指グッ。

交渉成立。
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