涙人
「大丈夫。うち、誰にも言わないから…」
震える声で志帆は言う。
「……………ありがと」
本当に?
本当にあたしが?
殺した?
頭の中でぐるぐる回る考えをかき消し、あたしは肩を抱きかかえた。
「………天音。ゆっくりでいいから。少しでも早く、記憶取り戻せるといいね。うち… 天音のみか―…」
「志帆…!!」
あたしは耐えきれなくて志帆の言葉を遮った。
「志帆の気持ちはすごく嬉しい。…けど、お願い…!!」
声を押し殺し、呟く。
「…今は…一人にして…」