涙人


ぼーっと考えながら家を出ると、志帆があたしを出迎えた。


「天音!!」

「志帆…」

「…大丈夫? 顔色悪いよ?」

「大丈夫。ちょっと寝不足なだけ…」


……本当は、一睡もしていない。


いや、一睡も出来なかった。


未だにあたしの記憶は戻らなくて。


思い出そうとする度に頭痛がして、昨日は頭痛に悩まされてばかり。


焦りと不安が募り、おかしくなりそうだった。


人殺し、と声が聞こえてきそうで…


………あたし…


本当に亜由那を殺したの?


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