ペテン師の恋
普通の毎日をすごしていたある日、私のもとに、荷物が届いた。









差出人の名前はなかった。










私は、心当たりないため、箱をふってみたりして、開けることを躊躇った。








箱をふってみると、カタカタと重いものが動いている感覚があった。









「本…」








自分で呟いた言葉にハッとして、差出人が誰なのか予想がついた。









わかると、私はすぐさま、箱を切り、中身をだす。









すると、中には案の定、絵本が入っていた。









表紙には、朱色で描かれた、蝶々の翼が生えた女性が天に手を翳していた。









左の薬指には、朱色の糸…









この絵をみた瞬間、誰が送ってきたのか確信できた。









「朱一…」









私は、絵を見ただけで泣きそうになったが、グッと堪えた。








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