ペテン師の恋
苛立つ私が可笑しいのだろう、勝ち誇ったような、私の嫌いな笑みを浮かべたまま、今まで言われたことのない最低な言葉を放たれた。





「僕も、人形みたいな女を抱きたくなるほど狂っていない」





私は一気に頭に血が上り、ベッドの枕を朱一に投げつけた。




「帰るっ!!」




私は走ってバスルームにいき、服に着替えた。





そして、手荒にバッグを掴み玄関へ怒りの隠った足取りで向かった。




「夜遅いし気をつけてね」




そういって、勝ち誇った笑みを浮かべる朱一を思いっきり睨み付け、私は無言で部屋を出ていった。





逃げたって思われても構わない。




こんな屈辱初めてだ。




気づくと涙が止まらなくなっていた。




よかった、あの男の前で泣かなくて…あんな男なんでこんなに掻き乱されなきゃいけないんだ。




悔しい!!




じゃあ、私を抱いてきた男は狂ってきた男しかいないってこと?




まともな男は私を欲しがらないとでもいいたいの?




こんな悔しい気持ちは初めてだ。




負けない、負けられないよ…



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