【完】TEARS−ティアーズ−
「僕は大丈夫ですよ」
「本当に?」
ニッコリと笑った僕を見て皆さんは、ふぅん。と頷いた。
「で、今日はどうされました?」
「……胸がね、痛いの」
「胸ですか?
熱はありますか?
他に気になるところは?」
カルテに書き込んだあと、南さんに目を向けた。
「じゃあ喉を見せて下さい」
診察を続ける僕に、黙って従う南さん。
んー、別に変なとこは……ないかな。
「じゃあ次は胸の音をきかせて下さい」
「高峰さん」
「はい?」
聴診器を耳につけようとする僕に、
「胸の音きいたら後悔するかも」
って。
ほんのり頬を赤くし上目遣いて僕を見つめていた、その顔に思わずドキッとしてしまった。
「そ、それはどういう意味ですか?」
「……、別に」
「南さん?」
「やっぱりいい。もう治った」
「え? 南さん?」
そういうと南さんは立ち上がり、診察室を出て行ってしまう。
えーっと、どういう事なのかな?
南さん、どうしんだろう。
変に思いながらも、残りの患者さんを診ていく。
ようやく午前の診察が終わり、僕は屋上へと出て外の空気を吸った。
携帯をチェックすると南さんからメールが届いていて。