【完】TEARS−ティアーズ−
「私はいいわよ」
「へっ!?」
南ちゃんに、さっきの話をしたらアッサリとOKが出ちゃって。
「で、でも南ちゃん。
さっき会った男の子達だよ?」
「同じ学校じゃない」
「そ、そうだけど……。
でも何も知らないし」
「何か知ってたら遊びに行く?」
「ゔ……」
「乃亜はバカなくせに、ちょっと頭がかたすぎるのよ」
酷いー、バカってぇ~。
確かにバカだけど、そんなにハッキリ言わなくてもいいじゃない。
「そんなだから人を好きになったことがないんだよ。
初めから線を引きすぎなのよ」
最もなことを言われて、あたしは返す言葉がない。
「もっと楽に考えな?
これはチャンスだと思えばいいの」
「チャンス?」
「そ。別にその人達と恋しろなんて言ってないんだから。
まずは、男慣れしなきゃね」
「男慣れって……」
「とりあえず1回行ってみて、嫌なら帰っちゃえばいいの。
私も行くし大丈夫だって!」
そう言って南ちゃんは、あたしの“日替わり弁当”のメインのお肉をひとつ食べてしまった。