【完】TEARS−ティアーズ−


--ガッシャーン!!!


大きな音と共に、あたしは自転車と一緒に倒れてしまった。



やっばぁい!



そう思った時には既に遅くて。

目の前には倒れた自転車の山があって、さっきまで話していた2人の声はしなくて。


嘘でしょー(泣)
どどど、どうしよー。



顔をあげれないまま。

とりあえず自転車に挟まってしまった足を抜こうとしたら、



「いっ…」



たぁぁぁぁぁーい!



と大声で叫びたいくらいの激痛をヒザに感じて。


ハッとした。


痛さのあまり、一瞬忘れてた。


人が居たんだった!


ソーッと顔をあげると、さっきまで居た2人はいなくなってる。


けど……。


あたしのすぐ側には、2本の足があって。

その足から、どんどん上に目で追うと。



あたしを見下ろしている、綺麗な顔立ちをした背の高い男の子が居た。
< 9 / 371 >

この作品をシェア

pagetop