アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女


「じゃあ、猛に送ってもらいな」



「そうだね」



猛が私達の教室に入ってきたので送ってもらおうと思い、立ち上がると誰かに手を掴まれた。



「亜美、時間あるなら話がある」



そう言ったのは祐だった。


「えっ?」



祐の顔を見ると吸い込まれてしまいそうだった。



それは伸也さんと同じ髪の色だから、一瞬伸也さんかと思った。



こたぁは猛からピンクのメットを取ると、祐に手渡し


「コイツもバイクだから送ってもらえ」


と言ってカズの手を引いて教室を出て行った。



「亜美、明日の朝も同じ時間に迎え行く」



「わかった」



猛も2人の後をついていく。



「行くぞ」



「うん」



私は祐に手をつかまれたまま、教室を出た。



校舎を出て少し歩くと、祐はバイクが沢山置いてある場所で足を止めた。



「話って?」



「あぁ。そこで話すか」



そう指をさしたのは小さな公園だった。


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