アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
こんなことを考えている割には、心の中はたまさんに会える喜びでルンルンしていた。
「帰りは連絡しろよ」
「うん。伸也さん、もう少し待ってて」
「はっ?」
「急に来たから、たまさんいるかわからないし」
「連絡してねーのか?」
「うん」
ハァ〜と溜息を吐いた伸也さんは「早く行って来い」と私の頭をクシャクシャっとした。
私は少し緊張しながらインターホンを押す。
「はーい」
たまさんの少し枯れた声が聞こえた。
「亜美です」
「あらっ。今行くわ」