アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女

「カズ…ごめんね。私、女友達がいない。カズが初めてなの。だから、接し方がわからない。でも、カズを大切に思っていたことは確かだよ。大切だったから…心配かけたくなかった。心配してカズの泣く姿を見たくなかった」




カズは私の手を握り返してはくれない。





「私の考え方が間違っていたんだね。私は…間違った付き合い方をしているのかどうかさえわからない。だから、これからは教えて欲しい。女友達の付き合い方を教えてくれる?」




カズはコクリと頷き、手を握ってくれた。





「後…伸也さんのことは…2人きりの時に話したい。今簡単に話せる内容じゃないんだ。沢山のことがありすぎたから…ただ、一つだけ言えるのは、誰になんと言われても、私と伸也さんが出した答え。それはアイシテルからこそ出した答えなの。おかしいかもしれないけど、私は伸也さんに愛されてるし、私も伸也さんを愛している」




カズは涙を拭い、立ち上がった。





「その話、今すぐ聞かせて。今日は伸也さん帰らないでしょう?残り少ない2人の時間を邪魔するわけにはいかないから、今日しかない」





「わかった」
< 644 / 688 >

この作品をシェア

pagetop