アイシテル 街を仕切る男×傷を負った少女
「亜美は卒業してから働きたいのか?」
「うん。出来れば学んだ事を活かせる職に尽きたい。でも、結婚したら無理か…」
「相手方からの提案なんだが、向こうの会社で働いてみないか?」
「そんなこと許されるの?」
「もちろんだ。お前はお前のやりたい事をしたらいい」
「働く場所はどこでもいい」
「じゃあ、取り合えず婚約をして結婚は亜美が23歳になってからにしよう。社会人一年目は何かと大変だろうから」
「ありがとう」
「パパ、そんな言い方しないで頂戴」
パパと私の会話にママが割って入る。
「何がだい?」
「だから、男の人は嫌なのよ。」
すっかり昔の優しい口調に戻ったママの声を聞くと嬉しくなる。