【原作】妖精なアイツ
廊下にも、
ダンボールが散乱している。



階段をドカドカと駆け下り、
一階に下りる。



洗面所も、
ダンボールが散乱していて狭い。



「邪魔やなあ。
何とかしてや、兄貴。」



洗面所で顔を洗う兄に助けを求めた。



「しゃあないやん、我慢しろや。
どうせ今日向こうに送んねんから」



兄貴はそう言うと歯ブラシを手に取り、歯を磨いた。



兄貴は、
寝癖が酷く、ワカメみたいになっている。



「いてててて!
何しとんねん!!」



私は兄貴の髪の毛を引っ張っていた。



「え、味噌汁の具になるかと思って。」



私が手を離すと、
兄貴は頭を押さえた。



「ふざけんな!
俺は豆腐と揚げの味噌汁しか食わへん!!」



…そこを怒るんだ。



兄貴は歯磨きが終わると、ワックスで髪型を整えた。



兄貴の髪の毛はワックスを使い過ぎてテカテカになっている。



「今日のワカメはツヤええなあ」



私はそう呟き、顔を洗った。
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