【原作】妖精なアイツ
「ああっ!
めっちゃ最高やった!」



ライブが終わって会場の外へ出て伸びをする。



「うん、僕も初めて来たけど楽しかったよ」



「やろぉ?
さすが弟!!」



「う~ん。
その呼び方はそろそろやめてくれないかい?」



妖精は頭をかいて顔をしかめた。
私は笑って謝る。



その後私達は駅に向かって歩いていた。




「……ミッキー」



「ん?」



妖精は立ち止まった。
私も、足を止める。



「ミッキーは、
ブラザーが好きかい?」

「え?
…うん。」



「…そう。」



再び妖精は歩き始めた。



まさか、
あの時聞きたかったのは、この事…?



「どうしたん?
染五郎さんを好きになったらアカンの?」



私がそう言うと、
妖精はまた立ち止まった。



「好きなってはいけない人なんているのかな」



妖精はそう言った。
顔はこちらを向いていない。「どないしたん?
アンタおかしいで…」



「ん?何がだい?」



妖精はコロッと態度を変え、
こちらを向いた。



その後の帰り道も、いつもの妖精だったが、何かがおかしい気がした。



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