【原作】妖精なアイツ
イルカショーの会場に着き、
私とのり姉は席を取る事にした。



「美希、
知ってる?

ここのイルカ、
『恋イルカ』って言うんだよ」



「『恋イルカ』…?」



なんだそれ?



「二匹のイルカが
プールからジャンプして出てきて、
二匹がキスするの。

その時のイルカのポーズが
二匹合わせてハートマークで、
それを一緒に見た男女は結ばれる…

そんなジンクスがあるんだ」




へえ…
と相槌をして頷いた。



そんな事を聞いても、
染五郎さんと見れる訳でも無いし



のり姉の彼氏だし…




「ジュース買ってくる」



私は席を立って、
近くの自動販売機へと向かった。

「うわ…高…」



どうして、
こうゆう所の自販機のジュースって
こんな高いんだろう。



「ミッキー!」



…げ。



「何をしているんだい?」



「え、
見たら分かるやん。

ジュース買ってんねん」



私は少し尖がった言い方をした。




「何をそんな苛ついているんだい?

にばしを食べなよ。」



私はため息をついて、
妖精を見た。
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