春は来ないと、彼が言った。
机を向かい合わせにくっつけた正面、妃ちゃんがちょこんとそれはそれは可憐に座っている。
なんで可愛い子はただ座っているだけなのにこんな神々しいのか。
1度、わたし以外の4人全員に聞いてみたい。
自分のあまりにも平凡な容姿に腹が立ってくるほど、友達は美形揃いだ。
類は友を呼ぶってことわざ、わたしには適さない。
それでも卑屈になったりしないのは、きっと、皆のお陰だ。
わたしがここにいても良いって、教えてくれるから。