俺様生徒の甘いくちづけ

冗談なんでしょ…?


なのに、どうしてそんな切ない声で言うの。


いつもはもっとエラそうに言うくせに……。



「オレは美桜だけが…好きだ」



聞いてるこっちが胸が苦しくなるような告白だった。



「お願いだから…冗談だったら、もうやめて」


「なぁ…?どう言ったら…マジだって思ってくれんの?教えてくれよ!」



まっすぐな瞳があたしを心をかき乱しはじめる。


それは、あたしに初めて告白してくれた…たっちゃんの真剣な目を思い出させたんだ。



「それとも美桜は佐野ことが…」


「ち…違う!そうじゃない。そうじゃなくて、あたしはもう恋なんてしないの…」

< 80 / 104 >

この作品をシェア

pagetop