恋する魔女
「いや、結構。それに・・・」



“僕を送った後1人で帰らす訳にはいかないし”と言おうと思ったが、彼女の顔を見ていると、どうやらそれが狙いらしい。



姿はジュリアそっくりだが、中身は正反対だな。



ジュリアに似ているその容姿で、こんな格好をされることにも我慢ならなかったが、初対面の男にこんなすぐ体を許すその尻の軽さにも心底嫌気がさした。



一人で帰らせる訳にはいかないから、家に泊めてくれ=抱いてくれということらしい。




「僕は、これから彼女を迎えに行かなければいけないんで。」


「彼女?」



ジュリエットは眉をひそめた。



「あぁ。1ヶ月ぶりの彼女が帰ってくるんだ。」



だから早く帰してくれ。


もうこんなところにはいたくない。


ジュリアを待っているなら、寂しい思いをしてでも一人で待っている。


こんなところに来るくらいなら。



「1ヶ月ぶり?・・・ホントに帰ってくるの?」


「あぁ。」


「そんなのわからないじゃない!あなたのことなんか、忘れてるかもしれないじゃない!!」



外に出ると、ジュリエットは声を張り上げた。




それには、さすがのブライアンも怒りを露にした。




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