恋する魔女
「どうしてもっと早くに言ってくれなかったのよ??!」


「本当にごめん!離れる前に、君の笑顔を少しでも多く見ていたくて、ついつい言いそびれてしまったんだ。」



ジュリアは泣きたくなった。



明日から一人置いていかれるあたしのことを思ってよ!

ブライアンのバカ!!



「離れるのは一緒だけど、置いていかれるあたしの方が辛いのよ!?公園を見たりレストランへ行けばあなたを思い出してしまうんだから・・・」



涙目で訴えれば、ブライアンも悲しい表情になった。



あ・・・少し言いすぎたかしら。我が儘だった?



ジュリアが後悔し始めていると、フワリと抱き締められた。



「ブライアン・・・?」


「ごめんねジュリア。君のことを思ってあげられなかった。僕は自分勝手だな・・・」



切なそうに微笑むブライアンにジュリアも胸が痛んだ。



「いいえ。あたしも言いすぎたわ。ただ、明日だなんて急だったから。・・・・・・寂しい。」



そう言うと、ブライアンの腕に力が入る。




「仕事に身が入るか心配だ。君のことで頭がいっぱいになりそうだよ、ジュリア。」



ブライアンの手は限りなく優しくジュリアの頭を撫でるのだった。



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