時空の森と悪戯な風

生きていたって、いい事ないじゃん…



生きていても、智治はいないのに…



切なくて悲しくて、智治が死んでからの約10年間を、頑張って生きてきた。



そして今回、時空の森での出来事で、アタシが愛してる人は誰なのか、ハッキリした。



なのに…



『弥生…俺の幸せは、お前が幸せになることなんだよ。お前には、いつもニコニコ笑って欲しいんだ。俺が死んでから、心から笑ったこと無いだろ?』



「…わかんない…」



『都合悪くなると“わかんない”って言う口癖は、変わらないな』



智治が笑いながら言った。



「わかんないんだもん」



『ちゃんと笑える日が来る。っていうか、来てくれなきゃ困る。俺は弥生の笑顔が大好きだから』



「アタシが笑えたのは、智治が側にいたからなんだよ」



『またそんな事を…』



困った顔の智治。
アタシずっと、智治を困らせてばかりなのね…





横を見ると、ベッドに寝てるアタシと、心配してる圭介が見える。



あれ?
圭介がどこかに行くみたい。



それを見た智治が

『呼ばれるかな』

と言った。



誰に呼ばれるの?
そう聞くと



『時空の森で、彼に呼ばれるんだ。一緒に来いよ。これを見ればわかるだろ』





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