後輩はダメですか?①
すごく元気な子だなぁ。
元気で、明るくて…しかもイケメンだ。



「翔!?何やってんだよ~」
「あ!ごめん、今行く!!!
 本当にありがとうございました。じゃあ」


彼は深々と頭を下げ、走っていってしまった。



翔くんかぁ…。
どうしてだろう?彼の声が、顔が、頭から離れない。
インパクト大だったのかな?
なんか胸の辺りがモヤモヤして…分からない。


「みーさ!何一人でぶつぶつ言ってるの??」
「へ??私なんか言ってた??」
「うん、何?気づいてなかったの?!」
「え!?本当に言ってた?」
「なになに?もしかして恋とか??」


恋…そういえば、『恋』って『変』って言う字に似てるな…。
そう考えると、漢字って面白い。

……!!!
じゃなくて!!!!


「ちがう!絶対にちがう!ないないない!!!!」
「そうかな~?」
「そうだよ!てか、誰に?って感じ!」
「翔くんだっけ?1年生」
「しょ…翔くん!?」


確かに、何か胸に引っかかるものはあるけど…。


「ビンゴでしょ!」
「残念。私は誰にも恋しませんよ」
「え~、うそつき~」


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