うらばなし


『親愛なる発端の一人よ。そろそろ君が、うらばなしで何をしようか。と迷う頃だと見透かし、私から些細な贈り物としてこちらの骨を行かせよう。彼はいい。何せ、私の話に三日も付き合ってくれたのだからな。飲まず食わずでも生きられ、寝ることも必要としない生命体。言葉を交わし、親近感さえも芽生えたよ。君はこの骨を鬱陶しく思うだろうが、よくよく見たまえ。愛嬌ある眼窩をしている。いやはや、骨など皆同じと思ったが、私の話を三日三晩聞き続けた彼には特別な情が湧く。故に、だ。聞くにはこちらの骨、君に言いたいことがあるそうではないか。そうして君がうらばなしを更新しようかと思案しているのを見透かせば、必然的に私は仲人役となろう。一石二鳥と言うのかな、これは。友のために粋な計らいをした自身を誇りに思うよ。ではな、親愛なる発端の一人よ。

PS.ウザッヒャーとはなかなかにいいあだ名だな』


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