うらばなし


ユ「いいからさっさと、姫様を下ろしてくださいっ」


シ「い、いや、こいつが上に乗ってて……姫君、さっさと降りろ」


姫「ええ。あまりシブリールさんと密着しては、ユーリがヤキモチ焼いちゃいますからね。よいしょ」


シ「さすがは姫君。よく分かっているじゃないか」


ユ「分かっていないっ」


シ「そういえば、今日は一人か、姫君。あの童顔とブサ男は?」


姫「今日は私一人ですよ」


シ「不用心な。仮にも一国の姫君だろう、お前は。まあ、お前に護衛など要らないか。魔術師百人いようが、お前の前では赤子同然。あまり出歩かない方がいい、“周りのためにも”」


姫「毒壺を持って出歩いているように見えますかねぇ。大丈夫ですよ、蓋はしていますから」


< 1,271 / 1,773 >

この作品をシェア

pagetop