うらばなし


「物事を結果的に見るわたるんさんが保証できないとまで言うならば、何か事例があるのでしょうね」


当たりです。
事実、わたるんの……深くは言いませんが、身近な方の気が狂ってしまいました。


「それは、何とも……」


言える範囲ならば、わたるんの呪いは決められた命日以外では死なないもの。その命日は、わたるんが20歳になった時。


「また、ずいぶん短い」


何とかなればいいですが……、今の段階では何とも……


思わずわたるんを抱き締めてきました。ものすごく、引かれましたけど。


「頭に浮かぶ光景ですね。でも、わたるんさんの振る舞い方から察するに、彼はずいぶんとあっさり受け止めているような。月日の流れにしても、そうやって生きていく彼をこちらがかわいそうと言うのはひどく無責任な気がします」


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