うらばなし


「そこからあなた流に作品としての形にするわけですね」


そうですね。
現状では、姫が私と話せる個室うらばなしに来ている状態ですが、姫たちの世界で起こる物語を書く際はそちらの個室(世界)の鍵を開けて、そこから得た情報(物語)を文章にします。


「数多の個室の住人が入り乱れる『されバ』については?」


あれは、姫たちが集められた世界自体が個室ですから。またそれも物語の一介ですよ。


「ふむふむ。何だか万能なようで、不器用な話ですよね」


その気になれば万能ですが、全世界の扉を開けっ放ししたり、一斉に覗いたりなどしたら情報量のキャパ超えで混乱しますからね。必要な時に必要な分だけ、あなたたちの世界にお邪魔するだけです。


「全てを見通せながらも、一気には見ない。同じ空間にいようとも、後ろに目がついていないのでは気づきませんよね。自分に迫る危機にも」


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