うらばなし


『親愛なる、“発端の一人”よ。

私は今、ひどく安心している。君はどこか全てに諦めを持った、意味があれば今にも崖下に足を踏み込むような、そんな生きるにおいて怠惰な君が、ああも感情をむき出しに、現実の理不尽さに嘆いたことを素晴らしいとさえ思った。

それでこそ人間だ。君はどこか人間に混じろうとする節――表立ってはどこにでもいる平々凡々を気取るくせに、裏ではどこか遠くに意識を置くような、そんな“生きた心地を持ち合わせていなかったモノ”でしかなかったが、いやいや、私の見透かし通り、君はやはり人一倍に弱いだけだったのだね。

私の見透かしに間違いないと自信さえあったが、君がああも取り乱し荒れて、言いたい放題に訴え、必死に生きていることを叫ぶさまを見ては改めて、君のあり方というのに感心さえしたよ。


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