うらばなし


「ビルディと共にした時間はそれこそ、彼女が産まれてからずっと長い付き合いだ。俺の思い出がまだ確立できていないときから、気づけば一緒にいた。二人っきりになった年数とて、あいつとは比べ物になれないはずなのに、何故、“俺と同じ場所にいるのだか”」


……。
クロスが真っ直ぐだとしたら、ロードは曲がり道ばかりしてきたのかもしれません。


あれもこれも姫のためだと様々な道に進み、そうして今に至る。あなたは常に完璧を求めていますから――姫に相応しくあろうと一人で何役もこなせる人ですが……


「あいつは、一つのことしかできないからな。なるほど、一本道(真っ直ぐ)か。確かに俺は色々な道を選んできた。遠回りをしてばかりで、ビルディの隣にいようとしたが……」


< 654 / 1,773 >

この作品をシェア

pagetop