【完】私と息子に幸せをくれた人(中篇)
私は聖より半歩下がった。



「結婚は時期を見てします。
翔は、高校やモデルの仕事で今は忙しいですし」



聖は早く帰りたそうだ。

私は「それでは…」と、会見を終わらせた。

三吉さんに背中を押されながら会見場の外に出ると、勇士が居た。



「何をしてるんだ」



聖は勇士に冷たく言う。

勇士は「謝罪に」と答えた。

私は謝罪を聞くつもりはない。

謝罪を聞いたって、仲直りとかするつもりもないし。



「行こう?」



私は聖に声を掛けた。

聖は「そうだな」と、三吉さんに車を表へ回すように頼んだ。
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