朱の蝶

捨てたはず

朱色の蝶々・・・

着物・・・

髪飾り・・・

私は、長い髪と共に

女である事を捨てた。


私は、神前組二代目

神前千景として生きる。


男の世界で生きる事は
とても苦しい・・・


私は、二十歳になり
逃げ出す。

「はあはあはあ・・・」

荒い息遣い・・・

止まることなく駆ける足

私は、スーツのポケットに
札束を忍ばせて、新幹線に
飛び乗った。

行き先は・・・
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