踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
「だって……僕にはいつもきついんだ」

「そうか?」

 戒はウォッカをひと口、味わいながらさして関心もないように応えた。

「戒には優しいから気づかないんだよ」

「お前の気にしすぎだ」

 その言葉に翼は唇を尖らせて、納得のいかない表情を浮かべ顔を伏せた。




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