踊れ その果てでⅡ<ケルベロスの牙>
「部屋をあてがってやれ。後でまたゆっくり聞こう。奥の部屋だ」

 筒井はそれに無言で頷き、翼を促す。

 翼は戒の腕を掴み、男のあとについて部屋を出て行った。

「……」

 それを確認した戸塚は、数秒ほど険しい表情を浮かべていたが自然と笑みがこぼれる。

「こいつはいい」

 戒という強力な戦力が失われた真仁は慌てている事だろう。

 しかも翼まで手に入るとはわたしに運が向いてきた、これが喜ばずにいられようか。

「く、くくく……。はぁっはっはっはっ!」


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